青森の右上に位置する下北半島には、神秘的な観光スポットが多数存在しています。日本三大霊場のひとつである「恐山」、大きな奇岩が連なる「仏ヶ浦」、洋式灯台のある「尻屋崎展望台」など、見どころ満載。疲れを癒せる温泉施設もいくつかあるため、運転や移動に疲れたら、温泉もお楽しみください。マグロで有名な大間が属する下北半島を楽しむための、おすすめ観光スポットを紹介します。
この記事の目次
仏ヶ浦
約2kmにわたって、白緑色の奇岩が続く海岸。如来の首、五百羅漢、一ツ仏、蓮華岩、屏風岩などの名が付けられた岩々の総称を指すのが「仏ヶ浦」です。雨や風、荒波に浸食され、長い年月をかけて現在の岩の形となりました。顔の形をした岩や花のような形をした岩などがあり、その美しさに魅了されるはず。
駐車場からは、急な階段を徒歩で約20分ほど歩かなければなりません。
足腰に自信がない人は、さわやかな風を楽しみながらゆったりと眺められるクルーズ船での観光がおすすめです。船の発着場所は「津軽海峡文化館アルサス」となるため、船を利用する際はこちらの駐車場へ向かってください。チケットもこちらで購入となります。
大間崎
本州最北端に位置する大間崎。目の前に広がる津軽海峡の奥には、北海道函館市の岬が見えることもあります。天気のいい日は、函館の観光スポットである五稜郭タワーまで肉眼で確認できるんだとか。大間崎は、日本ジオパークに認定された「下北ジオパーク」の、16カ所あるジオサイトの中の1つです。
「こゝ本州最北端の地」と刻まれた碑や、大間名物となるマグロのモニュメントの前で、記念撮影を撮りましょう。
駐車場横には、無料で使える本州最北端のキャンプ場があります。
大間崎には、新鮮なマグロを使った海鮮丼が食べられる食事処がいくつもあります。別の記事で詳しく紹介しているので、そちらもあわせてご覧ください。
大間崎レストハウス
恐山
日本三大霊場のひとつとして知られる恐山。外輪山に囲まれた霊場は、外部からは見ることのできない途絶された場所です。
岩場地帯の奥には、鮮烈な美しさがかえって不気味さを感じさせる「宇曽利山湖 極楽浜」があります。山の上とは思えないほどの神秘的な光景が広がるので、必見です。
恐山へ向かう道にある太鼓橋「三途の川」も忘れずに見ていきましょう。
また、死者の御霊を呼び、口寄せを行うイタコがいる山としても有名ですが、実は年に数回の祭りがあるときしかいません。問い合わせ先も異なるので、注意が必要です。
恐山は、全体が硫黄のにおいに包まれているため、苦手な人は無理をしないように観光しましょう。
恐山菩提寺
恐山にある曹洞宗の寺院です。862年、夢のお告げに従い諸国を行脚していた慈覚大師円仁がこの地にたどり着き、開山したと伝えられています。カルデラ湖である宇曽利山湖の湖畔に建てられています。
尻屋崎
4月~11月までの期間限定で開場している尻屋崎。下北半島中心地となるむつ市から、車で約45分ほどかかる東通村に位置しています。140年以上の歴史があるレンガ造りの灯台は、日本一の高さを誇ることでも有名です。
128段の階段をのぼった先から、津軽海峡を一望できます。
尻屋崎周辺の牧草地には、ここにだけ生息する農耕馬「寒立馬(かんだちめ)」が放牧されており、訪れた人たちに愛らしい風景を与えてくれます。
尻屋埼灯台
日本で最初に霧笛が設置された灯台です。
初めて灯火に電気を使用した灯台としても有名な尻屋埼灯台は、参観料300円を払うと灯台の内部を見学することができます。興味がある人はぜひ覗いてみてください。
尻屋崎に生息する寒立馬(かんだちめ)は、近づいて写真を撮ったり触れ合ったりもできます。
愛嬌のある茶色い寒立馬と緑の芝生、白い灯台と青い空や海のコントラストが楽しめる絶景スポットです。
道の駅よこはま 菜の花プラザ
道の駅よこはま 菜の花プラザは、菜の花が一面に咲き誇る横浜町にあります。
こちらの物産館でおすすめなのが、定番商品である「菜の花ドーナツ」です。
下北半島を行き来する青森県民の休憩場所として、休日の息抜きスポットとして愛される、貴重な道の駅といえるでしょう。
菜の花かりんとうや菜の花を使ったご飯のお供なども販売されているので、ぜひ立ち寄ってください。
釜臥山展望台
釜臥山(かまふせやま)展望台は、日本夜景100選に選ばれるほどの絶景が楽しめるスポットです。市街地や陸奥湾を一望できる夜景は、アゲハチョウが夜空に羽ばたくように見えるため「光のアゲハチョウ」と称されています。そのロマンティックな美しさは、東北地方随一の夜景と言われるほど。
展望台から15分ほど遊歩道をのぼると、標高878mの頂上からの景色も堪能できます。
10月中旬~10月下旬頃に見ごろをむかえる紅葉シーズンもおすすめです。
北洋館
北洋館は、1916年に海軍士官の社交場として建築された、石造りの重厚な建物です。海上自衛隊の大湊地方隊総監部内にあります。
展示室は、海軍、自衛隊室、歴史室に分けられており、「北方の海上防衛」をテーマとした、貴重な史料が約1,000点ほど展示されています。
土日祝日の9:00~16:00まで開館しており、入場料は無料です。
訓練などで休館している可能性もあるので、事前に問い合わせてしてから行きましょう。
斗南藩 史跡
敵の汚名を着せられ廃藩となった会津藩。その藩士が復興の地として選んだのが下北半島でした。
藩士たちが上陸したとされる大湊、後に陸軍大将にまで出世した柴五郎の居住跡、藩士が復興を夢見た場所とされる斗南藩史跡地などが点在しています。
史跡地を800mほど進んだ場所には、旧斗南藩士たちのお墓もあるそうです。わずかに残った史跡から当時をしのぶことができます。
早掛沼公園
むつ市田名部にある早掛沼公園は、桜の開花時期ににぎわう観光スポットです。緑色の花が咲く遅咲きの御衣黄(ぎょいこう)桜や有名なソメイヨシノ、八重桜が咲き誇ります。
昭和39年に市民の憩いの場として解放された後、早掛沼にせり出した陸地を都市公園として整備。
野外ステージや「早掛レイクサイドヒルキャンプ場」も隣接しています。
秋は紅葉、冬はスキーの練習やソリなどの遊びが楽しめます。
願掛岩(がんかけ公園)
二つの岩の形で男女が抱き合う姿のように見えることから、縁結びの願いが叶うとされている願掛岩。
男岩の高さは海抜101m。長い年月をかけて削り取られたために、荒々しく露出した波紋岩となりました。女岩は、男岩よりやや小ぶりで丸みを帯びています。
その周辺一帯が「がんかけ公園」として整備されています。
また、願掛岩から道路を挟んだ山側には、総ヒバ造りのコテージが5棟あり、1棟につき10名まで宿泊可能。キャンプの利用もできます。
宇曽利山湖
恐山の噴火により形成されたカルデラ湖で、下北半島唯一の自然湖。ごつごつとした岩場一帯には、硫黄の臭いが漂っています。この岩場辺りを地獄と見立て、逆に美しい湖面が広がる宇曽利山湖と、それをとりまく白砂の浜を極楽浄土と見立てました。
宇曽利山湖の水質は、pH値が約3.2~3.8という強酸性。食酢や梅酒がpH3に該当するため、ほぼ酢のようなものだとか。
薬研渓流
むつ市大畑町にある、美しい大自然に囲まれた薬研渓流。手付かずに近い豊かな自然が存在しており、渓流の四季を感じられるスポットです。澄んだ空気と川のせせらぎが間近で楽しめます。
薬研温泉から奥薬研温泉までは、たくさんの広葉樹林に沿って、遊歩道が整備されています。1周約6km、2時間ほどで散策が可能です。
トロッコ線路の一部が残る、散策道「あすなろの道」もぜひチェックしてください。
運がよければ、天然のカモシカと出会えるかもしれません。
小川原湖
青森県で一番大きい「小川原湖」は、面積63.20平方km、最大水深25m、平均水深11m、全国で11番目に面積の大きい湖です。小川原湖は、日本で唯一の住所を持つ特殊な湖でもあります。
八甲田山系の淡水と太平洋からの海水が混じる汽水湖という性質から、独特な生態系がつくられています。
さまざまな水産資源に恵まれた湖には、全国屈指の水揚げを誇るしじみ、しらうお、ワカサギが生息。
冬は凍った湖上でワカサギの穴釣りができます。
小川原湖公園
道の駅おがわら湖から650m、小川原湖畔に広がる美しい公園です。
湖水浴場は、温かい季節に泳ぎを楽しむ人でにぎわいます。
宿泊できるケビンハウスやオートキャンプ場、野外ステージ、遊具、パターゴルフ場など、さまざまなエリアが設けられている小川原湖公園。
遊歩道もあり、清々しい木々の間を歩きながら森林浴を楽しむことができます。
小川原湖畔での釣りや道の駅での休憩ついでにぜひお立ち寄りください。