弘前の観光スポットを紹介 徒歩でも回れる魅力的な場所が沢山あります
弘前公園 aomori-tourism.com

青森県の津軽地方に位置する弘前は、歴史的な建造物が多く立ち並ぶ観光名所として人気です。

季節によって違った表情を見せる「岩木山」や、全国から足を運ぶ人が訪れる桜の名所「弘前城」や「弘前公園」、陸奥津軽の開拓の神、農海産物の守護神が崇め奉られる「岩木山神社」、日本庭園と大正浪漫な雰囲気を味わえる「藤田記念庭園」、夏の風物詩である弘前ねぷたを年中楽しめる「津軽藩ねぷた村」など、たくさんの観光スポットがあります。

「津軽藩ねぷた村」では、金魚ねぶたの絵付けやこぎん刺しの体験ができるので、青森観光の記念品を作るのもおすすめです。

古くから大切に守られてきた弘前周辺の観光スポットは、車や公共交通機関で回ることができます。公共交通機関を使う場合は、バスや電車の本数や時間が限られているため、しっかりとプランを立ててから巡りましょう。

弘前城

弘前城/弘前公園

弘前城 tohokukanko.jp

歴史と美しさが融合する、魅力の弘前城

津軽地方に位置する弘前城は、国の重要文化財に指定されている観光名所です。天守が江戸時代から現存するのは国内で12か所のみで、東北では唯一残っているのがこの「弘前城」となります。

1603(慶長8)年に、津軽為信が城の築城を計画しますが、1604(慶長9)年に病疫したことで築城は中断。1609(慶長14)年に、2代目信枚が築城を再開し、1611(慶長16)年に弘前城が完成しました。現存する天守は、欄干を取り払い、すっきりした端正で威厳がある作りを元にした「後期層塔型」が用いられています。雪の影響で屋根が割れないように、銅製の瓦を使った工夫がされているのも見どころです。

弘前城は、例年4月下旬~5月上旬にかけて桜まつりが開催され、毎年多くの観光客が足を運びます。夜にライトアップされた桜と、歴史ある弘前城のコントラストは必見です。

弘前公園

弘前公園

弘前公園 aomori-tourism.com

四季折々の美と文化が広がる、弘前公園の魅力

弘前公園といえば、4月下旬~5月上旬にかけて行われる「弘前さくらまつり」が有名です。1882年(明治15年)に寄贈された日本最古のソメイヨシノ、首を垂れたようなシダレザクラなど、全部で約50種類、2,600本ほどの桜を見ることができます。無数の花びらが濠を埋め尽くす花筏は、ライトアップされる夜に撮影しましょう。水面に浮かぶ桜の花びらと、木に咲いた桜を同時に照らす淡い光は、思わず立ち止まってしまうほど幻想的な光景です。

他にも、秋には「弘前城菊と紅葉まつり」、冬には「弘前城雪燈籠まつり」など、季節を楽しめるイベントが開催されています。観光客だけではなく、地元民も足を運ぶスポットとして人気です。

徒歩圏内には、和と洋が織りなす日本庭園の「藤田記念庭園」や歴史的建造物として楽しめる「旧弘前市立図書館」「青森銀行記念館」などがあります。弘前の観光プランには欠かせない場所といっても過言ではありません。

岩木山神社

岩木山神社

岩木山神社 aomori-tourism.com

荘厳なる岩木山の神域、岩木山神社の神秘と伝統

「お岩木さま」「お山」と親しんで呼ばれ、陸奥津軽の開拓の神、農海産物の守護神、また祖霊の座すところとして崇められてきた、岩木山神社。

津軽全土から見える荘厳な岩木山の中腹に位置しており、昔から津軽人の生活と心のよりどころとなっているそうです。岩木山神社の本殿、奥門、瑞垣、拝殿、中門、楼門は重要文化財に指定され、現在も大切に守られています。

また、旧暦の8月1日は、五穀豊穣の感謝と祈願を込めて、団体で登拝する古くからの行事「奥宮神賑祭(お山参詣)」が行われます。こちらは、重要無形民俗文化財に指定されており、親から子へと代々受け継がれる、津軽地方の伝統行事といえるでしょう。登山囃子を唱えながら練り歩く行事は、なかなか見られない光景なので、弘前を深く知りたい人は、ぜひチェックしてみてください。
岩木山神社は、弘前市内から車で30分ほど山を登った場所にあります。季節によっては肌寒い可能性もあるので、羽織ものを1枚持っておくとよいです。

津軽藩ねぷた村

津軽藩ねぷた村

津軽藩ねぷた村 aomori-tourism.com

津軽藩ねぷた村:津軽の文化と体験が楽しめる魅力の拠点

津軽藩ねぷた村は、弘前公園から徒歩圏内にある、見学、体験、買い物、食事などができる施設です。

見学エリアでは、高さ10mの大型ねぷたと内部の骨組みを見学できる「弘前ねぷたの館」、ねぷた・ねぶたの紹介コーナーや、岩木山周辺の観光情報のコーナーがあるねぷたの間「ヤーヤ堂」、米蔵を利用した民工芸品の制作風景が見れる津軽蔵工房「たくみ」、津軽三味線の資料を展示している「山絃堂」「ねぷたの館」、日本庭園「揚亀園」を有料で見ることができます。

民工芸製作体験ができるエリアでは、金魚ねぷたや津軽凧、弘前こけしの絵付け、津軽塗や藍染めなど、10種類ほどの中から選んで体験ができます。作った作品は、お土産として持ち帰りが可能です。ヘアゴムやコースターとして実用性の高いこぎん刺しは、制作風景を見るだけではなく実際に手を動かして体験すると愛着が湧きます。

青森県内農林水産加工品を取り扱うアンテナショップ、りんごの直売所、手作りせんべいの「めへや」などは、無料で立ち寄れるので、買い物だけしたい地域の人にも愛されています。
青森県産の米や大豆、野菜にこだわったお食事処。郷土料理である貝焼き味噌やけの汁が定食で楽しめるのは珍しいです。
弘前城と弘前公園周辺を巡るプランの前後に、ぜひ立ち寄ってみてください。

藤田記念庭園

藤田記念庭園

藤田記念庭園 aomori-tourism.com

藤田記念庭園:洋風と和風が調和する美しい庭園の魅力

藤田記念庭園は、弘前公園から徒歩圏内の場所に位置する観光スポットです。弘前市出身の藤田謙一氏が大正十年に、東京から庭師を招いて作らせた江戸風な庭園で、東北地方では、平泉毛越寺庭園に次ぐ規模をほこります。廻遊路は約700m、40分程度で見て回れます。

園内は高さ13mの崖地をはさんで、高台部と低地部に分かれているのが特徴です。高台部は岩木山を望める庭園で、見学可能な洋館・和館・匠館が建っています。低地部は池泉廻遊式庭園で、散策しながらハナショウブ、ツツジの群落、滝などの景色を楽しめます。

洋館には、当時のステンドグラスや窓ガラスがそのまま残っています。大正浪漫喫茶室、藤田謙一資料室が入っているのもこの場所です。和館には、屋久杉の一枚板、鞍馬石の沓脱石などこだわりの材料が使われています。ここに展示されているのは、小川破笠(はりつ)作の板戸絵、ななこ塗り箪笥、狩野派屏風など。クラフト&和カフェ 匠館では、食事を楽しめます。

弘前市りんご公園

弘前市りんご公園

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りんごの魅力が広がる弘前市りんご公園:自然と文化を楽しむ

すり鉢山展望台から岩木山を眺められる、弘前市りんご公園。りんごにこだわった商品が並ぶお土産コーナーや軽食コーナーがある「りんごの家」、弘前市の文化財に指定されている「旧小山内家住宅」、シードルを醸造する工房「kimori」など、見どころいっぱいの少し大人な公園です。8月上旬~11月上旬までは、有料でりんごの収穫体験ができます。

弘前市りんご公園では、年中を通して園地散策ガイドが案内してくれます。4月~11月の土日祝日は、津軽昔語りと呼ばれるイベントも行われているため、子どもと一緒に行っても楽しめます。県内外の人を問わず、弘前市の文化に触れられる機会が作れるスポットです。

公園までのアクセスは、車か弘前市内を循環するバスためのぶ号を利用するのがおすすめ。公園前で乗り降りできるので、徒歩の時間が短くて済みます。

最勝院五重塔

最勝院五重塔(さいしょういん ごじゅうのとう)

最勝院五重塔 aomori-tourism.com

厳かなる存在、最勝院五重塔:弘前のシンボルを訪ねて

最勝院五重塔は、明治41(1908)年に、青森県で初となる国の重要文化財に指定された建物です。寺伝によると、藩祖為信の津軽統一の過程で戦死したすべての人たちを供養するために建立したとされています。

最勝院五重塔は、奈良の法隆寺五重塔に近い形をしており、上層にいくほど小さくなる逓減率がほぼ同じで、大和比になっているそう。大和比とは、国内の寺社建築や日本絵画などで用いられる、日本人が美しいと感じる比率のことです。

塔の高さは31.2mで、塔の中央にある柱には一本角形杉材を使用しています。これは、国宝や重要文化財級の五重塔では、全国でも最勝院五重塔だけということもあり、とても珍しく別格といわれています。
高台に建てられているため、市内から見上げることができ、弘前市のシンボルとして愛され続けています。

岩木山

弘前公園と岩木山

弘前公園と岩木山 tohokukanko.jp

雄大なる自然の象徴、岩木山:四季折々の美しさに魅了される

津軽エリアに位置する、青森県内で最も高い山である岩木山。標高は1,625mで、登山やスキー・スノーボードなどのアクティビティが楽しめます。
日本百名山のひとつであるため登頂は大変かと思いきや、意外と険しくないルートもあります。8合目まで岩木スカイラインが通り、9合目まではリフトで行くことができるため、40分ほど歩くだけで登頂が可能です。しっかり登山を行いたい人には、5つのルートが用意されています。ルートによって初級~上級者向けのコースに分かれているため、所要時間と自分の登山レベルに合わせて選びましょう。
見る場所や季節によって異なる表情を見せてくれる岩木山。五所川原方面からは山頂が尖って見え、藤崎・弘前方面からは山頂がなだらかに見え、鯵ヶ沢方面からはもっとなだらかに見える、不思議な光景を目にすることができます。

鶴の舞橋

鶴の舞橋

鶴の舞橋 tohokukanko.jp

絶景を背景に繰り広げられる舞踊のような鶴の舞橋

一等材の青森ヒバが使われた、幅3m×長さ300mの鶴の舞橋。岩木山が湖面に映る津軽富士見湖に架けられた、日本一長い木造の三連太鼓橋です。日本古来の建築技術を駆使し、1994年に完成しました。長い木の橋であることから、渡ると長生きができるといわれています。
テレビCMや撮影の舞台としても使われるほど景色がよく、一目見たいと県外から訪れる人も。夕焼けや朝焼けが楽しめる時間帯、雪化粧をした岩木山と津軽平野一面の雪景色が楽しめる冬のシーズンは、写真映えすること間違いなし。
周辺には、つがいの丹頂鶴が見られる丹頂鶴自然公園、釣りやピクニック、大型遊具が楽しめる富士見湖パークがあります。ボートに乗って、ゆったりと釣りをするのもおすすめ。遊具や広場は雪で埋まってしまうため、雪がないシーズンに鶴の舞橋を見に行くのであれば、合わせて楽しみましょう。

中町こみせ通り

中町こみせ通り

中町こみせ通り

伝統と賑わいが息づく中町こみせ通り

弘前市の中心部にある弘前公園から、車で約30分ほどの場所にある中町こみせ通り。

日本の道百選にも選ばれた中町の通りには、「こみせ」と呼ばれる日差しや吹雪から人を守るアーケードが伝統的な形を維持したまま残されています。このような通りは貴重であることから、平成17年に重要伝統的建造物群保存地区に定められました。
中町こみせ通りには、「高橋家住宅」という重要文化財があります。米や味噌、塩、油、薬などの販売・製造をしていたとされる建物で、築270年以上経過しているそう。また、菊乃井、玉垂と呼ばれる酒屋も並んでおり、弘前や黒石の地酒を購入したい人へおすすめです。

毎年9月の第2土曜日と日曜日に行われるこみせまつりには、地元の人がたくさん集まりにぎわいを見せています。観光に行くタイミングを合わせて、地元の人と触れ合いながらお酒を堪能してみませんか。

弘前市立観光館

情報と文化が集まる弘前市立観光館

弘前市の観光拠点として、ガイドマップやパンフレットを取り扱っている弘前市立観光館。弘前公園を出て道路を渡った場所に位置する、追手門広場の一角にあり、弘前市と周辺地域の観光情報を収集できます。弘前市内を巡るのに便利なレンタサイクルや、観光コンシェルジュによる観光案内など、初めて弘前市に行く人にはピッタリの施設です。

1階には、展示された弘前ねぷたと、お土産コーナー、レストランがあります。青森のお土産を買う場所としても立ち寄りやすいです。

2階の民工芸品コーナーでは、伝統的工芸品「津軽塗」の下地から完成までの48工程をわかりやすく展示しているほか、こぎん刺しなど津軽の工芸品を展示しています。

追手門広場の近くには、弘前八幡宮祭礼の際に、神輿の露払いとして各町会の人々によって運行された山車の展示館や、「旧弘前市立図書館」、「旧東奥義塾外人教師館」があるので、合わせてチェックしましょう。

弘前れんが倉庫美術館

弘前れんが倉庫美術館

弘前れんが倉庫美術館 pixta

歴史と芸術の融合を体感する弘前れんが倉庫美術館

弘前れんが倉庫美術館は、明治・大正期に酒造工場として建設された吉野町煉瓦倉庫を、「記憶の継承」をコンセプトに改修した美術館です。

国内外の先進的なアートや美術品を紹介するとともに、弘前や東北地域の歴史、文化と向き合える作品を集め、展示しています。ワークショップやライブなどのイベントも開催されており、現代的なミュージアムとしての存在感を発揮。

弘前れんが倉庫美術館の特徴は、建築や地域に合わせて新たな作品制作を重視し、完成した作品を展示。さらに収蔵するという流れによって、弘前ならではのコレクションを形成しています。展示される個々の作品は、短期から長期までの異なるリズムで展示することで、れんが倉庫の可能性を最大限に引き出しているそうです。

5つの展示室と、貸出用の3つのスタジオ、市民ギャラリーや無料で利用できるライブラリースペースが設けてあり、観光客だけではなく、地元民にも使いやすい場所といえるでしょう。

弘前市立郷土文学館

弘前の文学の宝庫を訪ねる弘前市立郷土文学館

弘前とゆかりの深い文学者を紹介している、弘前市立郷土文学館。郷土の文学に興味を持ち、親しみや理解を深めてもらいたいという願いから作られた施設です。ここでは、陸羯南、佐藤紅緑、葛西善蔵、福士幸次郎、一戸謙三、高木恭造、平田小六、太宰治、今官一の9名の文学者の著書、原稿、遺品などの資料を常設展示しています。一戸謙三、高木恭造、植木曜介の作品5編を、朗読と映像で鑑賞できる方言詩コーナーもおすすめです。

弘前市の博物館・美術館5つを巡って、抽選で賞品がもらえるスタンプラリーも開催。弘前市立博物館、鳴海要記念陶房館、高岡の森弘前藩歴史館、弘前市立郷土文学館、弘前れんが倉庫美術館の5つを巡ると、弘前の歴史や文化をより一層詳しく学ぶ機会が作れます。

弘前の建築巡り

青森県弘前市にはレトロ建築が多く、建築巡りを存分に楽しめる観光スポットが多数存在します。今回は、弘前市中心部からアクセスしやすいレトロ建築をまとめました。

白とミントグリーンがきれいなルネサンス風建築が特徴の「青森銀行記念館」、赤いとんがり屋根が目を引く洋館に入っている「大正浪漫喫茶店」、れんが積みの基礎とたくさんの窓が特徴の「旧東奥義塾外人教師館」、国の登録有形文化財の洋館を利用した「スターバックスコーヒー 弘前公園前店」、八角形の双塔をもつルネサンス様式を基調とした「旧弘前市立図書館」、イギリス積の赤れんがが印象的な「弘前昇天教会」について、詳しく見ていきましょう。

青森銀行記念館

青森銀行記念館

青森銀行記念館

歴史と美を刻む青森銀行記念館

青森銀行記念館は、1879年に設立された国立銀行を記念館として残している建物です。木造2階建て、白とミントグリーンのコントラストがきれいな、ルネサンス風建築で建てらています。調和のとれたシンメトリーの外観が印象的です。柱などの木材は青森県産のけやきを、建具も青森県産のひばを使用しています。

設計と施工を担当した堀江佐吉氏は、太宰治の生家「斜陽館」を手がけたことでも知られています。数多い明治の洋風建造物のなかでも構造的技術的に優れ、随所に独創的な工夫が加えられている点を評価され、昭和47年、国の重要文化財に指定されました。

この施設は、通年を通して内部の見学が可能です。完成度の高い和洋折衷手法の優れた建築であり、弘前を代表する洋風建築のひとつとして、欠かせない建物となっています。

大正浪漫喫茶室

藤田記念庭園

藤田記念庭園 aomori-tourism.com

大正時代の魅力が詰まった大正浪漫喫茶室

藤田記念庭園にある、赤いとんがり屋根が目を引く洋館に入っているカフェ。大正時代の面影をそのままに、ゆったりとした時間が過ごせる場所となります。おすすめの座席は、大広間とサンルームを利用した窓際です。

大正浪漫喫茶室では、6種類の中から好きなものを選べるアップルパイとドリンクのセットが一番人気。人気メニューとして、香り豊かな白神産そば粉のガレットもあります。弘前のりんごを使ったスイーツ系ガレットと、季節によって内容が変わる食事系ガレットの2種類を用意しているそうで、ランチにもデザートにもピッタリ。がっつり食べたい人には、パスタやカレーもあります。

大正浪漫の雰囲気を感じられる雑貨や小物、弘前ならではのりんごにまつわるお土産品などがそろう売店もあるので、一度足を運んでみてください。

旧東奥義塾外人教師館

旧東奥義塾外人教師館

旧東奥義塾外人教師館

歴史と風情が息づく旧東奥義塾外人教師館

東奥義塾は、弘前藩の藩校であった稽古館を母体に、明治5(1870)年に開かれた私学校です。旧東奥義塾外人教師館は、東奥義塾に招かれた外国人教師の住居として、明治33(1900)年に建てられた洋館です。

レンガ積みの基礎と柱、上に開ける細長い窓が特徴の建物で、白い外壁とグリーンの窓枠のコントラストが目を引きます。館内には古い時代の家具や調度品などが置かれ、当時の外国人の生活を再現しています。寝室や子ども部屋、書斎などは無料で見学可能。明治期の外国人の暮らしがわかる貴重な建物として、青森県重宝に指定されています。

また、1階には喫茶室が設置されており、ゆったりくつろげるスペースとなっています。窓から追手門広場内にあるミニチュア建造物を眺めながら、スイーツやドリンクを楽しみましょう。

スターバックスコーヒー 弘前公園前店

スターバックスコーヒー 弘前公園前店

スターバックスコーヒー 弘前公園前店 yu_photo / PIXTA(ピクスタ)

津軽の風情と現代のカフェ文化が融合する特別な空間

1917年に陸軍師団長の官舎として建設された「旧第八師団長官舎」。2003年に国の登録有形文化財に登録、その後2015年にスターバックスコーヒー 弘前公園前店としてオープンしました。

通常のスターバックスコーヒーの店舗と違う点は、外観だけではありません。中に入ると、木の温もりとレトロさが感じられる空間になっています。天井は高く、ほんのり風情のある照明、元々の建物の造りを活かした構造など、現代のスターバックスコーヒーの店舗にはないものだらけ。

なかでも注目してほしいのが、ソファ席の背もたれです。津軽地方の伝統的な刺繍工芸である、こぎん刺しが施されているのです。店内の雰囲気に合わせた、調和のとれたやわらかな色合いで、ゆったりと過ごしたいスターバックスコーヒーにピッタリ。
弘前市内の建築巡りをして疲れたら、ここでお茶をしながらゆっくり休んでくださいね。

旧弘前市立図書館

旧弘前市立図書館

旧弘前市立図書館 ドラマル / PIXTA(ピクスタ)

1906年、日露戦争で得た大きな利益を公共に還元する目的で建てられたのが、旧弘前市立図書館です。堀江佐吉が建てた建築物で、青森県重宝に指定されています。

八角形の双塔をもつルネサンス様式を基調とした、木造3階建ての建物。赤いドーム屋根が印象的な、弘前を代表する洋館の
ひとつで、随所に和風様式が取り入れられているのも特徴です。室内を明るくするために取り付けられた多数の窓、漆喰塗りの外観などが挙げられます。

館内は1階部分に旧市立図書館の形態を復元し、当時の資料を展示しています。2階では地方出版物や同人誌の紹介、文学碑めぐりのビデオ上映などが行われています。
冬にはりんごをモチーフにしたライトアップなどが行われ、いつもと違った雰囲気を楽しめます。館内は当時の雰囲気のようで、タイムスリップしたような気分を味わいたい人におすすめです。

弘前昇天教会

弘前昇天教会

弘前昇天教会 モリゾ / PIXTA(ピクスタ)

洋風の美しさと歴史を刻む、弘前昇天教会の魅力に迫る

弘前昇天教会は、明治村にある国指定重要文化財「聖ヨハネ教会教会堂」と同じ、宣教師ジェームズ・ガーディナーが設計した建物です。イギリス国教会の伝統を引く日本聖公会東北教区に属するプロテスタント系の教会で、明治29年に伝道の講義所として設けられました。

平屋建ての教会堂は、イギリス積の赤れんがが印象的で、全体はゴシック様式でまとめられています。正面右寄りにそびえ立つ塔の鐘は、トレフォイルという三葉形のアーチに納められているのが特徴です。柱の模様、登りアーチの中の飾り、チューダーアーチ、化粧屋根裏と垂木やトラスとのコントラスト、アンティークな照明器具など、見るものを飽きさせません。
内部は和洋折衷の造りとなっているのですが、この建物は、外観のみを楽しめる観光名所となります。弘前の中心市街地にあるレンガの建物として、強い印象を残してくれそうです。

弘前市の観光スポットを厳選して紹介しました。岩木山や岩木山神社、中道こみせ通りなど、車があると便利な場所もあります。しかし、挙げた観光スポットのほとんどが弘前市の中心市街地にあるため、車がなくてもバスや徒歩で十分に楽しめます。青森観光の際は、弘前の歴史を感じられる建造物や、伝統工芸に触れる体験ができるスポットなどへ、ぜひ足を運んでみてください。

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