青森の酒蔵めぐり
酒蔵見学(八戸酒造)

「酒蔵ってどんなところなのかな」と疑問に思ったことはありませんか。

酒蔵は杜氏や蔵人、職人たちが日本酒(ここでは特定名称酒)を生産・貯蔵する施設です。

青森には古い酒蔵がたくさんあります。

酒蔵の中を見学する酒造巡りは観光の一環として成り立っており、酒造巡りを目的にやってくる人は少なくはありません。

この記事では、青森の酒造会社と酒蔵について紹介しますので、観光で青森を訪れたのであればぜひ立ち寄ってみてください。

青森の酒蔵めぐり

青森は酒蔵の宝庫です。

歴史が古く、中には江戸時代に起源を持つ酒蔵が現在でも存在し、今でも現役で使用されている酒蔵があります。

酒蔵は杜氏や蔵人たちが醸造した日本酒を生産する場所、あるいは貯蔵する場所です。

基本的に醸造した日本酒は敷地内の酒蔵で保管することが多く、例外があるとすれば醸造した日本酒の管理を他の業者に委託している場合などが考えられます。

酒蔵内部の環境は、麹菌の活性化を促すため暑いです。

中でも杜氏や蔵人の一部は防護服のようなものを着て、作業をしています。

酒造巡りは、その工程をみることや酒蔵見学のあとに地酒の試飲を目的としていることが多いです。

八戸酒造

八戸酒造

八戸酒造

八戸酒造は、青森を代表する有名な酒造会社です。

代表的な銘柄は、『陸奥八仙』『陸奥男山』『八鶴』などがあります。

酒造巡りとして、八戸に観光で訪れたのであれば酒蔵見学がおすすめです。

八戸酒造にはいくつかの蔵があります。

まず北蔵は置き屋根構造と小屋組は洋風トラス構造で大正5年(1916年)竣工され、土蔵造りでは県内最大級で貯蔵用の蔵として使用されてきました。

次に西蔵は北蔵同様に貯蔵用の蔵として使用され、2階床だけは一部吹き抜け部分となっているのが特徴です。

煉瓦蔵は煉瓦造りの酒蔵で、仕込み用の蔵として使われてきました。

スコットランド製の鉄骨梁が使用されているので、酒蔵としては珍しいです。

最後に文庫蔵は、貯蔵用の蔵というよりは客人をもてなすために使用された経緯があり、家財及び什器の保管を行っていました。

実際の酒蔵見学で体験可能な範囲として、上記で説明した蔵の由来や歴史についての解説や一部貯蔵庫の見学は可能です。

ただ原則として醸造工程の見学は行っておりませんので詳細を記すことができませんが、一般的に酒造職人が外部から菌を持ち込まないように防備を行って酒蔵を管理していることは想像できます。

八戸酒造では酒蔵見学のあとに試飲できるサービスがあり、見学した人だけが自由に飲み比べができます。

代表銘柄の陸奥八仙と陸奥男山の違いを飲み比べしてみて実際に舌で感じることができ、気に入ったら地酒を購入するシステムとなっています。

お土産としても有用で、生産元から直接購入すればスーパーで購入するよりもお得かもしれません。

八戸酒造では定期的に酒蔵見学を開催していますので、電話で予約が可能です。

ただ、時期によっては開催していないことがありますので、見学したい方はホームページで事前に確認しておきましょう。

八戸酒造見学可
住所
八戸市類家1-4-33
創業年
1775年
代表銘柄
陸奥八仙、陸奥男山、八鶴
電話番号
0178-43-0616
見学
○見学
通年 平日10:00~16:00
○試飲
有料 ※蔵見学+試飲で500円
○店頭販売
一部アイテム
○新酒発売予定
11月頃
駐車料金
普通10台

桃川

桃川

桃川

桃川は、上北地方のおいらせ町に拠点を構えている酒造会社です。

代表的な銘柄は、会社名と同じ『桃川』を始め、『ねぷた』や『杉玉』などがあります。

酒蔵の内部で実際に地酒を生産している工程を見学することができ、どのような工程を経て生産に至るのか知ることができます。

詳しい製造方法は見ただけで判別できませんが、米を蒸す・均すなどの作業を行い、粗熱を取り冷やして仕込み、発行させる手順を踏んでいるのです。

そこまで丁寧な工程を経ないとおいしい地酒が作れないそうです。

また、酒蔵に入る職人はマスクや手袋など髪の毛が1本でも入らないように完全防備で働いています。

汗をかきながら働いている姿は印象に残るかもしれません。

酒蔵見学のあとは、地酒の試飲ができます。

代表銘柄の桃川とめぷた、杉玉の違いを自身の舌で確かめることができます。

気に入った銘柄があれば、購入可能です。

お土産として持ち帰り1年後や2年後に思い出話に花を咲かせながら飲むこともできます。

ただし、現在は新型コロナウイルスの影響で酒蔵見学を中止していますので、酒蔵見学が可能かどうかホームページを一度確認しておいたほうがよいでしょう。
ただし、現在は新型コロナウイルスの影響で酒蔵見学を中止していますので、訪問の際には酒蔵見学が可能かどうかホームページを確認してください。

桃川見学可
住所
上北郡おいらせ町上明堂112
創業年
1889年
代表銘柄
桃川、ねぶた
電話番号
0178-52-2241
見学
○見学
通年 9:30~15:30
○試飲
無料(10種類程)
○店頭販売
12~13種類
○新酒発売予定
10月22日頃
駐車料金
普通4~5台 大型バス2台

三浦酒造店

三浦酒造店

三浦酒造店

三浦酒造店は弘前市に拠点を構えています。

代表的な銘柄は『豊盃』です。

三浦酒造では『豊盃』を生産するにあたり、独特のこだわりを持っています。

酒造りに使用するコメは岩木山の伏流水を利用して育てた自家精米で、職人や蔵人が一丸となって作っているからこそ、『豊盃』は青森で名の通った銘柄に成長したのかもしれません。

酒造巡りの一環として、酒蔵見学が可能です。

蔵人が完全防備(白い服やマスクなどを装着)して作業して、作業員が酒造用のコメを運ぶ様子が見てとれるでしょう。

内部は関係者以外は覗くことは叶いませんが、麹室で温度や湿度を一定に保つ工夫を施しています。

ただし、時期によっては酒蔵見学を受け付けていない可能性がありますので、電話などで確かめておくことをおすすめします。

三浦酒造店見学可
住所
弘前市石渡5-1-1
創業年
1930年
代表銘柄
豊盃
電話番号
0172-32-1577
見学

盛田庄兵衛

盛田庄兵衛

盛田庄兵衛

盛田庄兵衛は酒造会社で七戸町に拠点を置いています。

代表的な銘柄は『作田(朔田)』『真心』『雪中八甲田』などです。

創業は江戸時代の1777年と古く、『作田』のような代表銘柄を世に送り出すまでに、「本当にうまい酒を飲みたい」「本当にうまい酒を伝えたい」の信条で酒造に取り組んだ結果、知る人ぞ知る銘柄の日本酒を生み出すことができました。

酒造巡りの穴場的スポットかもしれませんが、残念なことに酒造見学は実施しておりません。

ですが外観は見ることができ、歴史を感じさせる古い建築様式の酒蔵で、独自技術で酒造方法を彷彿させることでしょう。

盛田庄兵衛見学可
住所
上北郡七戸町字七戸230
創業年
1777年
代表銘柄
作田
電話番号
0176-62-4141
見学

八戸酒類

八戸酒類

八戸酒類

八戸酒造以外に、八戸にはもう1つ酒造会社があります。

それは八戸酒類です。

代表的な銘柄は『八鶴』や『如空』などが挙げられます。

酒造巡りの一環として、酒蔵見学が可能です。

八戸酒類には見学可能な酒蔵が2つあります。

1つ目は八鶴です。

1786年と江戸時代からの創業と歴史は古く、名前の由来は八戸藩を治めていた南部氏の家紋である向かい鶴と八戸という地名の一部を取り入れたものとされています。

蒸米や麹造りなどの一般的な工程以外に独自の製法を生み出した結果、全国新酒鑑評会で3度の金賞を獲得するに至りました。

そのため銘柄『八鶴』は青森県にとどまらず全国的に知られていくこととなります。

2つ目は如空です。

こちらは歴史は浅いものの、近隣の蔵元5社が結集して作られ、八戸酒類五戸工場へと編入されました。

新しい自然環境と蔵井戸から湧き出る五戸川の天然水を使用し、南部流儀の低温長期型発酵と寒造りの厳しい自然環境を巧みにいかした伝統の技などを活かして酒造作りをしています。

その結果として、2022年に全国新酒鑑評会で金賞を受賞しました。

知名度は全国区となっていても不思議ではないでしょう。

酒蔵見学は会社都合により八鶴のみで行っています。

蔵の内部を案内し、南部杜氏伝統の酒造り工程などを説明してくれます。

酒蔵の内部で職人が懸命に働いている姿が見てとれるでしょう。

見学を終えたあとは、『八鶴』や『如空』の試飲ができ、実際に自身の舌で違いを感じ取ることができます。

酒造期間(10月~3月)に見学すれば、酒造りの工程を現地で目の当たりできますが、同時に繁忙期であるためガイドが付かないかもしれません。

酒造巡りを目的としている人は繁忙期だったとしても酒蔵見学したいかもしれませんが、状況によって望むような見学が困難となる可能性がありますので、一度電話で確認することをおすすめします。

八戸酒類見学可
住所
青森県八戸市八日町1
創業年
1786年
代表銘柄
如空
電話番号
0178-43-0010
見学
○見学
通年 8:00~17:00
土日祝は予約制
○試飲
無料(蔵内でお勧めのものを試飲可)
○店頭販売
全種類
○新酒発売予定
12月頃
駐車料金
普通車 10台

鳩正宗

鳩正宗

鳩正宗

鳩正宗は、十和田市に拠点を構える酒造会社です。

代表的な銘柄は、会社名と同じ『鳩正宗』や『八甲田おろし』などです。

鳩正宗は、鳩が蔵に棲みつき追い払っても効果がなかったので、鳩が棲みつくことを容認し、鳩の死後に祠を立てて祭ったことが名称の由来となっています。

鳩正宗では、地元で生産されたコメを用いて仕込み水は八甲田山・奥入瀬川水系の伏流水を使用する徹底ぶりです。

杜氏と蔵人が一丸となって改良改善を繰り返した結果、『鳩正宗』が生まれ変わり、青森を代表する地酒の一端を担うまでに至りました。

残念ながら一般の酒蔵見学は実施しておりません。

鳩正宗見学可
住所
十和田市大字三本木字稲吉176-2
創業年
1899年
代表銘柄
鳩正宗
電話番号
0176-23-0221
見学

尾崎酒造

尾崎酒造

尾崎酒造

尾崎酒造は、鰺ヶ沢に拠点をおき青森西海岸では唯一の酒造会社として知られています。

代表的な銘柄は『安東水軍』です。

名称の由来は十三湊で交易により栄えたとされる安東水軍から派生したものとされています。

酒造方法に小和田理を持ち、白神山地の湧き水を利用して丁寧な酒造りが特徴です。

酒蔵見学は実施しており、電話予約で蔵の見学ができます。

酒造巡りを堪能したい人にとってはどんな仕込みや酒造方法が行われているのか気になるところです。

時期によっては、実際の酒造現場が見られない可能性がありますので、事前確認をおすすめします。

尾崎酒造見学可
住所
西津軽郡鰺ヶ沢町大字漁師町30
創業年
1860年
代表銘柄
安東水軍
電話番号
0173-72-2029
見学
○見学
1月~3月の午後
○試飲
無料(2種類まで)
○店頭販売
全種類
○新酒発売予定
1月上旬
駐車料金
普通車2台

六花酒造

六花酒造

六花酒造

六花酒造は、弘前市に本拠地を置く酒造会社です。

代表的な銘柄は、『じょっぱり』『龍飛』などがあります。

中でも『じょっぱり』は有名です。

さらに2014年、2016年、2018年にIWC(インターナショナル・ワイン・チャレンジ)のSAKE部門で純米大吟醸酒の部にて3度目のGOLDを獲得しました。

そもそも銘柄となっている『じょっぱり』とは津軽弁で意地っ張りや頑固者を意味します。

そのためか津軽地方では有名な銘柄として広く知られているようです。

ところで六花酒造は移転が決まっているためか酒蔵見学は行っておりません。

移転前の内部には稼働こそしていないものの、タンクや醸造の機械などがたくさんあります。

また、六花酒造は移転が決まっており、2023年夏ごろに移転する予定です。

移転後、酒蔵見学が可能かどうかホームページを確認することをおすすめします。

六花酒造見学可
住所
弘前市大字向外瀬字豊田217
創業年
1972年
代表銘柄
じょっぱり、龍飛
電話番号
0172-35-4141
見学

菊駒酒造

菊駒酒造

菊駒酒造

菊駒酒造は五戸町に拠点を置いています。

代表的な銘柄は会社名と同じ『菊駒』です。

名前の由来は五戸名産の馬(駒)と四代目が菊づくりの名人だったことから組み合わせてつけられたそうです。

菊駒酒造では酒蔵見学を行っています。

酒造巡りを目的としている人は予約をすれば酒蔵見学が可能です。

ただし、時期によっては見学ができないことがありますので、電話で事前に確認することをおすすめします。

菊駒酒造見学可
住所
青森県三戸郡五戸町川原町12
創業年
1910年
代表銘柄
菊駒
電話番号
0178-62-2323
見学
○見学
平日13:00~16:00(要予約)
※作業の都合等で受けられない場合あり。
○試飲

○店頭販売
菊駒の定番銘柄8種と季節商品
○新酒発売予定
12月下旬
駐車料金
小型:5台

竹浪酒造店

竹浪酒造店

竹浪酒造店

竹浪酒造店は板柳町を拠点にしており、青森県で最古の酒蔵を保有しています。

代表的な銘柄は『七郎兵衛』です。

諸説ありますが、『七郎兵衛』という名称は竹浪家当主の名に由来したものだと言われています。

詳細は不明ですが、伝統ある技法を駆使して酒造されているようです。

竹浪酒造店では酒蔵見学を行っています。

酒造巡りを実施したい人にとっては、津軽最古の酒蔵の内部がどのような構造となっているのか気になるところです。

事前に電話予約などを行うと対応してくれます。

竹浪酒造店見学可
住所
北津軽郡板柳町土井113
創業年
1645年
代表銘柄
七郎兵衛
電話番号
0172-73-2161
見学
○見学
通年 9:00~16:00
事前に参加人数を連絡
○試飲
無料 ※参加人数10名以上の場合
○店頭販売

○新酒発売予定
4~5月中頃
駐車料金
普通3台

鳴海醸造店

鳴海醸造店

鳴海醸造店

鳴海醸造店は、黒石市に拠点を構えています。

また鳴海醸造店そのものが黒石市の市指定有形文化財に指定されており、観光スポットとしての側面を兼ね備えています。

代表的な銘柄は、『菊乃井』『稲村屋』などです。

杜氏と蔵人が品質向上と試行錯誤を繰り返し、一致団結して取り組んだ結果、2022年の全国新酒鑑評会で金賞を受賞しました。

鳴海醸造店は黒石の地域文化発信のために酒蔵見学を積極的に行っています。

江戸時代の酒を仕込んでいたような風情ある酒蔵です。

時期にもよりますが、杜氏や蔵人たちが実際に酒の仕込み作業をしている現場を見学することができます。

見学終了後は、試飲を行っていますので、『菊乃井』と『稲村屋』のお酒の違いを舌で感じ取ることができるでしょう。

ただ、新型コロナウイルスの影響で酒蔵見学を中止しており再開時期は不明ですが、酒蔵見学が可能かどうかは電話でお問い合わせして確認するしかありません。

鳴海醸造店見学可
住所
黒石市大字中町1-1
創業年
1806年
代表銘柄
稲村屋、菊乃井
電話番号
0172-52-3321
見学
○見学
8:30~16:30
4月下旬~11月上旬(酒造期以外)
○試飲
無料(常時5種類以上)
○店頭販売
全商品
○新酒発売予定
2月上旬

丸竹酒造店

丸竹酒造店は、弘前市に拠点を置いています。

代表的な銘柄は『大輪菊盛』です。

酒蔵は津軽藩4代目津軽信政公の時代に建立されたとされ、現在に至ります。

基本的に酒蔵見学は実施しておりませんが、 2月のはじめには年に1度の酒蔵見学を実施する機会がございます。

新型コロナウイルスの影響で酒蔵見学を実施していない可能性がありますので、2月に合わせて酒造巡りをしたい人は、電話でお問い合わせしてみてください。

丸竹酒造店見学可
住所
弘前市大字国吉字坂本49
創業年
1686年
代表銘柄
菊盛
電話番号
0172-86-2002
見学

カネタ玉田酒造

カネタ玉田酒造は弘前市に拠点を置いています。

名前の由来として、かつて津軽藩士だった玉田善兵衛と屋号のカネタが合わさったものとされています。

代表的な銘柄は『津軽じょんがら』です。

酒蔵巡りをするのであれば、冬に酒蔵見学が可能です。

ただし、案内人が業務多忙で対応できない場合がございますので、電話での確認をおすすめします。

カネタ玉田酒造見学可
住所
弘前市茂森町81
創業年
1685年
代表銘柄
津軽じょんがら
電話番号
0172-34-7506
見学
○見学
10月~3月までは午後から。案内人がいなければ見学不可。(要予約)
○試飲
蔵見学料500円/人に含む
○店頭販売
全種類
○新酒発売予定
毎年12月初旬
駐車料金
大型:1台 普通乗用車:4台

西田酒造店

西田酒造店

西田酒造店

西田酒造店は青森市に拠点を置いています。

代表的な銘柄は『田酒』です。

『田酒』の由来は田んぼというシンプルなものです。

ここではお酒の特徴について詳しく記しませんが、米の旨味を最大限に引き出すために独自の製造技術を突き詰めた結果として、全国新酒鑑評会で過去に幾度となく金賞を受賞しました。

ゆえに『田酒』の知名度は全国区となっています。

ただ、酒蔵見学は行っていないので、『田酒』がどのように作られているのか知るためには杜氏から話を聞くしかないでしょう。

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