青森には、有名な日本100名城に選ばれた弘前城があります。弘前城は有名でありますが、青森にはそれ以外にも城や城跡が存在しています。
津軽藩や南部藩、八戸藩など、城と歴史的な関係が深く、もしそれらが存在していなかったら、青森に歴史的価値のある城や城跡は残せませんでした。
また、青森の城はそれぞれ見どころがあります。弘前城であれば、天守閣からの桜の眺めが有名ですが、それ以外の城にも見どころがあります。この記事では、青森県の美術館について紹介いたしますので、興味を持っていただけたら幸いです。
弘前城
弘前城は、東北で唯一現存する天守閣がある城です。国の重要文化財に指定され、日本100名城にも登録されています。
弘前城の歴史は、津軽為信(大浦光信)が津軽地方を統一して礎を築き、豊臣秀吉と徳川家康との外交を上手に渡り歩いた結果として、津軽地方の支配権を確立させました。
2代目当主信枚の時代に弘前城(高岡城)が完成したものの、1627年の落雷により一度天守閣は焼失してしまったのです。
ただ、9代当主寧親の意向で天守閣再建に着手し、1811年に現在の天守閣が現存するに至ります。
弘前城の見どころ
弘前城の見どころとして、まず挙げられるのが桜を背景とした天守閣の情景です。
桜の花びらに囲まれた弘前城は絶景で、インスタ映えするほど人気があります。
桜のシーズンに限定されますが、予約ができれば「手ぶらで観桜会」というイベントを実施しておりますので、興味がある方は参加してみてください。
桜以外の見どころとしては、弘前城石垣修理事業に関連して、石垣の上にある天守が「曳屋」と呼ばれる工事で通常の位置にはない場所へ移動してます。
天守を支える石垣の修復作業が必要なため、移動しているのです。
現時点では2025年度まで事業に関連した工事が当初の予定よりずれ込むため、イレギュラーな場所にある弘前城天守を目の当たりにできるのは、あと数年限りとなるでしょう。
さらに夏や秋、冬の弘前城も四季折々の美しさが際立っています。
根城
根城は、日本100名城にも選ばれ、1941年に国史跡に指定された城です。弘前城のように天守閣はありません。
全体像として見渡しの良い広場に、復元された本丸主殿や番所、鍛冶工房・納屋・馬屋など当時の面影を限りなく再現しています。
根城の歴史は、1334年の南北朝時代に南部師行によって築城されたことが始まりとされています。
八戸南部氏の拠点となったことで有名です。
領地替えによる盛岡へ拠点を移すまで約300年間使用されたと言われており、八戸地方の中心だったそうです。
根城の見どころとして、「復原された中世の城」と題した当時の文化を体感できる点にあります。
馬屋でどんなことをするのか、鍛冶工房の内部はどうなっていたのかなど、文献をたよりに復原された施設を見学して、当時の生活ぶりを推し量ることができます。
城好きや歴史好きの人には価値がある貴重な城館と言えるでしょう。
三戸城
三戸城は、2022年3月に「三戸城跡」として国の史跡に指定されました。現在では県立公園となっており、自然の散策に県民が立ち寄る名所となっています。
三戸町の市街地ほぼ中央に位置しており、馬淵川と熊原川の浸食もあって連郭式の山城です。
一見すると天守閣がありますが、天守自体は「模擬天守」と呼ばれ1967年に建造されました。
三戸城の歴史は、本三戸城と呼ばれていた聖寿寺館(しょうじゅじたて)が家臣の手によって放火されたことがきっかけで、南部晴政によって築城したとされています。
やがて南部氏の本拠地が盛岡と定められると、三戸城は城代が預かる形となったものの、徹底的な管理を厳命したことから現在に至りました。
三戸城の見どころとして、公園内にある約1600本の桜が咲き誇る点です。
青森県の三八地方では有名な桜の名所として知られています。
また、現存している堀や一部の石垣は歴史を感じさせ、復原された綱御門も見どころです。
浪岡城
浪岡城は、続日本100名城に選ばれた史跡です。続日本100名城とは、財団法人日本城郭協会が50周年の記念として2017年3月に名城・城郭ファンや城郭専門家6名からなる選定委員により選定されたものです。
そのうちの1つに浪岡城が選ばれ、国に史跡指定されました。
浪岡城の歴史は、浪岡北畠氏によって築城され、16世紀前半が最盛期とされ、ここを拠点に交流が盛んで、寺社の建立を行うなど居城として機能していましたが、やがて親族同士の内乱によって衰退し、1578年にのちの津軽為信に攻められ落城してしまったのです。
落城後、浪岡城跡は畑や水田として使用され続けてきましたが、浪岡城跡の発掘調査で農耕具や日用品、武器類や調理器具など約5万点以上出土したことで、当時の文化や生活様式が明らかになる重要な発見となりました。
浪岡城の見どころとして、北館が挙げられます。
建物が建っていた場所としては最大規模で、他にも猿楽館や東館などもあります。
中世の城郭を見ることが可能です。
また、青森市が運営している「中世の館」があります。
浪岡城跡について事前知識を得ることができ、そこから出土した遺物が資料展示室に収められているので、浪岡城跡を見る前や見た後で訪れてみてはいかがでしょうか。
八戸城跡
八戸城跡は、かつての八戸藩当主南部直房の居城として使用されていました。現在は三八城公園として市民に利用されています。
歴史的背景として、八戸藩の分立があり、根城とは異なる支城を建てたことが始まりとされています。
当時は城下町が築かれ賑わっていた側面もありましたが、南部氏が拠点を盛岡と定めたことで、徐々に廃れてしまいました。
現在では遺構はほとんど残っていませんが、土塁と堀跡などが一部残っているだけです。
見どころとしては、約50本の桜が咲き花見の名所として利用されています。
城巡りの旅に立ち寄る人も中にはいるかもしれません。