青森県東部にある三沢市には、豊かな自然に加えアメリカ文化との共存がもたらす、
他にはない独特な魅力があります。
太平洋に面しているだけでなく、水産資源が豊富でキャンプなども楽しめる『小川原湖』やラムサール条約に登録されるほど貴重な湿原『仏沼』など、豊かな自然目当てに観光に来る人が後をたちません。
また本州最北端の米軍基地である『在日米軍三沢基地』があり、アメリカと共存してきた歴史があるためアメリカンな雰囲気のあるインターナショナルな町でもあります。
そのため町の至る所で『三沢アメリカ村』などアメリカの文化や雰囲気を体験できる場所や、『アメリカンデー』など固有のお祭りもあります。
太平洋無着陸横断飛行で有名な『ミス・ビードル号』が飛び立った地でもあり、「航空の町」として『航空科学館』があり『航空祭』など独自のイベントが行われることも忘れてはいけません。
今回は、そういった様々な魅力がある三沢市ならではの観光を楽しめるよう、必見の観光スポットを紹介します。
この記事の目次
青森県立三沢航空科学館
三沢市と言えば、日本からアメリカへ初の太平洋無着陸横断飛行を成功させた『ミス・ビードル号』が飛び立った場所として有名です。また日本で唯一の「アメリカ空軍・航空自衛隊・民間空港」の三者が使用する飛行場である『三沢飛行場(三沢空港)』もあります。
そんな「航空の町」三沢市が誇る国内最大規模の航空ミュージアムが『青森県立三沢航空科学館』です。
大きく3つのエリアに分かれており、航空ゾーンではミス・ビードル号のレプリカはもちろんYS-11などが現役時代のまま展示されているため、航空史を間近で見ることができます。
科学ゾーンにはフライトシュミレーターがあり、小型の飛行機やヘリコプターを操縦する体験ができるため子どもに大人気です。
2階の宇宙エリアでは真空実験などの展示がある他、実際に月などでの重力を体験できる「宇宙探査ミッション」など体験型アトラクションもあります。
屋上の展望台では米軍基地や三沢空港に離着陸する飛行機や周辺の景色が見渡すこともできるため、子どもから大人まで楽しめる、三沢市の鉄板の観光スポットだと言えるでしょう。
三沢ビードルビーチ・ミス・ビードル号記念広場
1931年に市内の『淋代海岸』から世界初の太平洋無着陸横断飛行を成し遂げた『ミス・ビードル号』。
この『ミス・ビードル号記念広場』にはその偉業が記された記念碑とミス・ビードル号の実物大の模型があり、高さ22.48mの展望台では空からの景色を楽しむことができます。
バリアフリー対応の『三沢ビードルビーチ』は、広大な太平洋でマリンスポーツを楽しむことができる毎年3万人以上が訪れる人気の観光スポットなので、時期が合えばツアーに組み込むのも良いでしょう。
道の駅みさわ 斗南藩記念観光村
20ヘクタールという広大な敷地の『道の駅みさわ 斗南藩記念観光村』は三沢市を代表する観光スポット。子ども連れにも人気で、その理由はパターゴルフ場やゴーカート場、遊具のある広場など小さな子どもが楽しめるアトラクションが目白押しだからです。
動物と触れ合えるエリアがあり、乗馬やえさやり体験もできるためちょっとした動物園としても利用できます。
総合案内所兼レストランの『くれ馬ぱ~く』は周辺の道路情報など、現地でなければ分からないような情報を提供する総合情報施設ですので、三沢に観光に来た際はチェックしてみましょう。
地元の食材を使ったメニューを提供しているレストランでは、『三沢エアフォースバーガー』というバンズからはみ出るハンバーグが魅力の日米合作の名物料理がありますので、ぜひ味わってみてください。
産地直売の野菜など、お土産も販売しているので三沢のお土産を買うならここがおすすめです。
寺山修司記念館
幅広い分野で活躍した、独特な世界観が人気の劇作家『寺山修司』が少年期に過ごしたのがこの三沢市です。『寺山修司記念館』では遺族から寄贈された約12,000点もの遺品が公開されており、彼のファンにはたまらない観光スポットになっています。
もちろん、寺山修司の足跡が散りばめられた展示棟にはワクワクするような仕掛けがたくさんあるため、彼を知らない人でも楽しめるでしょう。
例えば机が並べられたエリアでは、机の一つひとつに展示物が隠されていたりと普通の博物館にはない遊び心が至る所で感じられます。
独特な魅力のあるテラヤマ芸術を中心に、三沢市の総合芸術発信基地である寺山修司記念館。
三沢市を訪れた際には、一度足を運んでみてはいかがでしょうか。
展示棟だけでなく、様々な企画展を行うエキジビットホールがありそこでは寺山修司ゆかりのゲストを招いたイベントなども行っていますので、訪れる際は事前に情報をチェックしましょう。
先人記念館
三沢市はかつて、南部藩最大の馬の放牧場でした。
1872年に日本初の民間様式牧場を開設し、牧畜に生涯をささげた元会津藩士『廣澤安任』をはじめ、地域の発展に尽くした人々の歴史を学ぶことができるのが斗南藩記念観光村にある『先人記念館』です。
彼の生き様だけでなく、明治時代の生活を写真などで詳しく知ることができるため、リアルな歴史を学ぶことができます。
近くには当時の牧場を再現した『開墾村』もありますので、合わせてご覧になることをおすすめします。
三沢市歴史民俗資料館
『三沢市歴史民俗資料館』は郷土の文化財を展示している施設です。
三沢市内で出土した北日本最古の土偶、縄文時代晩期の赤漆彩色土器を中心とした『野口コレクション』など、三沢市内から出土した先史・古代の出土品が展示されています。
また、三陸地震や東日本大震災地震による津波の被害を写真などで紹介するコーナーもあるので、過去に起きた津波災害の恐ろしさについて改めて考えるきっかけにもなるでしょう。
専門の解説員が詳しい解説をしてくれるため、新たな学びがあること請け合いです。
SkyPlazaMISAWA ・ 三沢アメリカ村
三沢市は米軍基地があることから、アメリカとの交流が盛んです。
その影響で市内にはアメリカンなお店がたくさんありますが、中でも『三沢アメリカ村』と呼ばれる商店街は必見です。
目玉の『SkyPlazaMISAWA (スカイプラザミサワ)』には様々なテナントが入っていて、本場アメリカのハンバーガーやピザを味わうことができる飲食店の他、服やおもちゃなどインターナショナルな輸入雑貨が目白押しで、見ているだけでも楽しめます。
ミリタリーグッズを始めアメリカらしいカラフルでビッグサイズなお菓子など、日本にいながらアメリカの雰囲気を強く感じることができる貴重な場です。
また、建物の前には一年を通してイベントが行われる『アメリカ広場』もあります。
中でも、最大規模のお祭り『アメリカンデー』は必見です。
異国情緒あふれる三沢市の魅力を存分に感じることができる場所なので、観光に来たらぜひお立ち寄りください。
三沢基地航空祭
三沢市で例年9月に行われる一大イベントと言えば『三沢基地航空祭』です。航空自衛隊と米軍が共同開催しているお祭りで、普段は見ることができない日米の航空機や装備品が基地内で展示されます。
日本の航空自衛隊とアメリカ空軍によるデモフライトやアクロバット飛行が毎年行われていますが、特にブルーインパルスの展示飛行が人気です。
1年に1度しか見られない、圧巻のエアパフォーマンスを見るために毎年約10万人が訪れるイベントですので、この時期に観光に来るなら絶対に見逃せません。
当日は周辺道路が渋滞するほど人が殺到しますので、混雑することを視野に入れて余裕を持った行動を心掛けましょう。
アメリカンデー
毎年6月にアメリカ広場で行われる三沢市最大の日米友好フェスティバルが『三沢アメリカンデー』です。日本にいながらもその日は基地周辺の広い範囲でアメリカの雰囲気を味わうことができるイベントで、アメリカンパレードは広い範囲をハーレーや仮装した人々が練り歩く、ハロウィンとディズニーパレードが合わさったようなお祭りです。
市内の道路で屋台が出たり、様々な基地内イベントも行われるアメリカンデー、1年に1度のお祭りですのでぜひ参加してみてください。
星野リゾート 青森屋
三沢市でのリゾートと言えば一押しなのが『星野リゾート 青森屋』です。全国展開している星野リゾートが手掛ける22万坪(東京ドーム17個)の敷地を持つリゾートホテルで、ここでは青森ならではのおもてなしを実践しています。
まず、日本を代表する青森の祭りである『青森ねぶた祭』を365日味わうためにホテル内外にお祭りの装飾があり、連日『みちのく祭りや』という祭りを模したショーが行われるため、いつ来ても青森ねぶた祭の熱気を感じることができます。
一方で、割烹着姿のかっちゃ(お母さん)が振る舞う郷土料理や地酒に舌鼓を打ちながら、田舎でのほっとする時間を過ごすことも可能です。
温泉も魅力的で、露天風呂『浮湯』や『古牧温泉 元湯』が源泉かけ流しになっており、「美肌の湯」とも称されるトロっとした肌触りの温泉は昔から根強い人気があります。
広大な敷地内には自然豊かな公園や、文化的価値が高い建造物『旧渋沢邸』、気軽に楽しめる足湯など散歩したくなるような景色が広がっているので、青森ならではの落ち着いたリゾートが楽しめるでしょう。
旧渋沢邸
星野リゾート青森屋の敷地内には、「日本の資本主義の父」とも言われる実業家『渋沢栄一』の自宅である『旧渋沢邸』があります。
有形文化財にも指定されているこの建物は、1877年ごろに最初の自宅として建てたものをここに移したものです。
高度な技術、貴重な材料によって作られており、レトロな魅力のあるステンドグラスと合わせて見どころの多い観光スポットとして人気です。
渋沢公園(青森屋公園)
星野リゾート青森屋の敷地内にある広大な公園が『渋沢公園(青森屋公園)』です。
散歩のコースが二つあり、「旧渋沢邸コース」なら旧渋沢邸や渋沢神社などを15分ほどで回ることができます。
「カッパ沼」という大きな沼を中心に30分ほど歩けば豊かな自然に触れることもできるため、好みによってコースを選びましょう。
温泉に入る前の散歩や食後の散歩にもってこいなので、お泊りの際はぜひ散歩の後の足湯やお酒を楽しんでください。
小川原湖
三沢市や東北町などにまたがる青森県最大の湖が『小川原湖』です。『宝沼』と呼ばれるほど水産資源が豊富な小川原湖は、ワカサギやシラウオの漁獲量が日本一。
しじみも有名で『小川原湖産大和しじみ』というブランドで売り出しているため、聞いたことがある方もいるかもしれません。
時期が来れば潮干狩りも楽しむことができますので、遊泳可能期間である7月上旬~8月下旬には、湖での遊泳と潮干狩りをまとめて予定に入れる人も多いようです。
1日では厳しい……と思うのであれば、小川原湖には2か所もキャンプ場があるので1泊2日のキャンプ旅行はいかがですか?
1日目は潮干狩りとキャンプを楽しみ、2日目は湖で泳ぐ、なんて楽しみ方ができるためおすすめです。
また夏のレジャーだけではなく、冬には凍った湖を活かした体験ができるため冬も楽しめます。
1年を通して魅力のある観光スポットであり、アウトドアやマリンスポーツの拠点としても人気です。
小川原湖観光センター「レークピア」
小川原湖水浴場に面した小川原湖観光センター「レークピア」では宿泊施設の案内やキャンプ場の予約受付などを行っています。
トイレや無料休憩所があるほか、夏のシーズンには食堂「おがわらこ」がオープンするため食事をとることも可能な、海の家ならぬ湖の家です。
2階の展望ロビーからは小川原湖を一望できるので、マリンスポーツなどで疲れた後の癒しの場として活用すると良いでしょう。
小川原湖氷上ウォーク・極寒カヤック体験
冬のレジャーにおすすめなのが、「小川原湖氷上ウォーク・極寒カヤック体験」です。
1~2月は湖岸が厚い氷に覆われることを活かしたアクティビティで、ドライスーツを着用して氷上を歩く体験ができます。
また湖の中央部は凍っていないため、端には氷が見えている状態の湖をカヤックで漕ぎ出すのも独特な面白さがあり人気です。
どちらも冬限定の楽しみ方ができるので、この時期に訪れたのならぜひ体験してみてください。
氷上ワカサギ釣り場(姉沼)
小川原湖のすぐ隣にある『姉沼』では、氷上ワカサギ釣りを楽しむことができます。
日本一のワカサギ漁場である小川原湖と水路がつながっているため、面白いように釣れるのが特徴です。
釣ったワカサギはその場でてんぷらにすることもできるため、朝食や昼食にできるかもしれません。
予約をすれば必要なものすべてをレンタルできますので、手ぶらでも楽しむことができるのも嬉しいところです。
念のため天気予報をチェックし、営業しているか確認した上で行きましょう。
小川原湖畔キャンプ場
小川原湖の自然を楽しみ尽くすなら『小川原湖畔キャンプ場』でのキャンプはいかがでしょうか。
このキャンプ場では、通常のキャンプ宿泊の他にもバイクキャンプやデイキャンプができるため、自分に合った楽しみ方ができます。
いずれにしても、湖水浴場が目の前にあるため遊泳可能な夏のシーズンがおすすめです。
最低限必要なテントやコンロ、食器などはレンタル可能で、トイレやシャワーも完備。
炊事場やトイレ・シャワー棟に近い山側と、小川原湖間近の湖側があるので好みによって選びましょう。
また、湖面のコテージから小川原湖を一望すると、八甲田山に沈む『小川原湖の夕日』を眺めることができます。
海の水平線とはまた違う魅力があって、まさに絶景。
小田原で一夜を過ごすなら、絶対に見逃せない瞬間です。
注意点としては、7~8月のシーズン中は18時~翌朝8時まで交通規制がかかる範囲があるので、事前にチェックしておきましょう。
三沢オートキャンプ場
子ども連れでも気軽に楽しむなら、三沢オートキャンプ場がおすすめです。
キャラバンサイトの他、電源利用可能なテントサイトがあるためキャンプの幅が広く、初心者向けだと言えます。
テントやBBQコンロはもちろん、多様なレンタル用品があり販売用品も手広いので、不測の事態に備えやすいのも魅力です。
敷地内には遊具場もあるので、小さなお子様連れでも安心して利用できます。
きれいに整備された芝生など、湖以外の湖畔の自然をより快適に楽しむことができるキャンプ場です。
充実した場内設備がありますので、キャンプ初心者や子ども連れには三沢オートキャンプ場をおすすめします。
古牧温泉 青森屋
「星野リゾート青森屋」の敷地内にある、地域で愛され続ける名湯が『星野リゾート青森屋 古牧温泉元湯』です。その人気の秘訣は、とろりとしたまるで化粧水のような「美肌の湯」が源泉かけ流しにされていることでしょう。
昭和を感じるレトロな外装で、中に入ると半屋外のこたつ付き待合室など内装も一風変わって面白いです。
昔ながらの浴室にはステンドグラス付きの大きな窓が付いており、そこから池や公園内の自然を眺めることもできます。
星野リゾート青森屋の温泉ですが、日帰りでも楽しむことができる古牧温泉元湯。
駅の近くでありながら静かな場所にある、青森県民が好む朝風呂にぴったりな源泉かけ流しのお風呂、ぜひゆったりと浸かってみてください。
仏沼
東に太平洋、西に小川原湖がある『仏沼』は222 haの広大な草原湿地。
この辺りの地域は春から夏にかけて偏東風「ヤマセ」が、秋から冬にかけて季節風「八甲田おろし」の冷たい風が吹くため、平地でありながら高山性の植物や南限・北限の動植物が見られるなど独自の生態系が大きな特徴です。
貴重な鳥類の繁殖地として有名で、特に絶滅危惧種に指定されている「オオセッカ」にいたっては日本最大の繁殖地になっています。
2005年に国指定仏沼鳥獣保護区(希少鳥獣生息地)に指定されたほか、ラムサール条約湿地にも登録されていることからも、仏沼がいかに希少な湿地であるかが伺えるでしょう。
四季折々の姿を見せてくれるヨシ草原や野鳥などを観察することができ、1年を通して様々な景色が見られる落ち着いた観光スポットである仏沼。
バードウォッチングはもちろん、豊かな自然を眺めながら歩いてみてはいかがでしょうか。
淋代海岸
『ミス・ビードル号』がアメリカへの太平洋無着陸飛行の挑戦を始めたのが、ここ『淋代海岸』です。
記念広場には実物大のミス・ビードル号の模型の他、展望台があるため高いところから眺めることもできます。
かつて大空への夢を抱き、それを実現させた2人の青年が見た景色を実際に見ることができるわけです。
また南北に伸びる海岸と防風林の美しい景色は、『白砂青松100選』にも選ばれるほど。
様々な魅力がある美しい砂浜に、一度足を運んでみてはいかがでしょうか。
三沢のご当地フード
太平洋や小川原湖など豊かな自然に囲まれ、養豚場も多い三沢市にはご当地フードがいくつもあります。
今回は『ほっき貝』と『パイカ』について、おすすめのお店と合わせて紹介していきます。
ほっき丼
冬になると身が引き締まり、肉厚で濃厚な味になるほっき貝をふんだんに使用したほっき丼は、三沢市自慢のご当地グルメです。市内の飲食店で提供していますが、中でもおすすめしたいのが「寿し花館 三沢1号店」。
ほっき貝を火を通し過ぎないようにカラッと揚げ、まいたけやエビの天ぷらと合わせた『ど~んとほっき天丼』が味わえます。
お持ち帰りもできる、ご当地ならではの贅沢な一品をぜひお試しあれ。
パイカ料理
三沢市のソウルフードである『パイカ』は、豚バラ肉の軟骨周辺のお肉のことです。一頭につき500グラムしか取れない希少部位であり、シンプルに焼くだけでなく、『パイカラーメン』など様々な形で三沢市民に愛されています。
中でも「彩喰楽酒 だい天」の『パイカ赤ワイン煮』はおすすめです。
赤ワインで煮込むことで柔らかくなったパイカに、ピリ辛アクセントが効いたオリジナルメニューで、お土産にもできます。
三沢でしか味わえないパイカの魅力を、存分にお楽しみください。