りんごの種類
青森県で作られている品種
青森県では約50種類のりんごが栽培され、市場に出回っているのは約40種類。
栽培されている品種の割合は、約50%が「ふじ」、「王林」「つがる」「ジョナゴールド」がそれぞれ全体の約10%となります。青森県で作られるりんごの8割は、この4品種が占めているのです。
また、品種が多いりんごは、収穫時期によって「極早生種(ごくわせしゅ)」「早生種(わせしゅ)」「中生種(なかてしゅ)」「晩生種(おくてしゅ)」の4つに分類されます。
8月 極早生種
8月20日ごろまでに収穫される「極早生種」。
暑い時期に獲れるりんごは、酸味が強くさっぱりとしているのが特徴です。やわらかくなりやすいので、長期保存はせず早めに食べましょう。
9月 早生種
8月下旬~9月20日ごろまでに収穫される「早生種」。
秋風が吹く涼しい季節に獲れるりんごは、果汁が多く、甘みと酸味のバランスが丁度よいのが特徴です。本格的なりんごのシーズンを、一足早く楽しみましょう。
10月 中生種
9月下旬~10月20日ごろまでに収穫される「中生種」。
豊穣の秋に獲れるりんごは、甘みと酸味のバランスがもっともよく、さらに芳醇な香りがプラスされます。ジュースやアップルパイなどの加工品として重宝されるりんごも、この時期に収穫されています。
11月 晩生種
10月20日以降に収穫される「晩生種」。
青森県の生産量約半分を占めるふじが収穫されるシーズンです。甘く香り高い晩生種は、早く獲れるりんごよりも貯蔵性に優れています。青森の長い冬でも腐らせずに保存できるりんごは、この時期に収穫されているのです。
8月 極早生種
夏緑(なつみどり)
青森県では、8月上旬のねぶた祭りの時期に、酸味の強い状態の未熟果が販売されています。
成熟した果皮は、黄緑色に淡い赤色の縞が入りますが、未熟果は縞が入らないのが特徴です。
150~200gと小ぶりのサイズ感である夏緑は、8月下旬に食べるのが美味しいとされています。さっぱりとした酸味がある夏緑は、夏の暑い時期に食べるのに最適です。
保存期間は、常温で10日、収穫後すぐに冷蔵したもので3週間ほど。
恋空(こいぞら)
糖度16%程度、酸度0.43%程度と、強い甘みが特徴的な品種です。
超早生種とは思えないほど真っ赤に色付き、渋みも苦みもないので、生で食べるにはピッタリ!
2007年に公開された恋愛映画である「恋空」にちなんでその名が付けられたそうです。
祝(いわい)
早い時期に収穫される祝は、酸味とほのかな苦みがあることから、お盆のお供え用に購入される機会が多いです。
やわらかくなりやすいため、長期保存は困難。
果皮は黄緑色で、成熟すると赤色の縞模様が入ります。
青森県では「大中(だいなか)」と呼ばれることも。
9月 早生種
つがる
青森県で栽培されるりんごの10%を占めているつがる。
「咳払いすると落ちる」と嘆かれるほど収穫前の落果が多く、現在では袋をかけずに栽培されることがほとんど。
12~13.5%の糖度があるつがるは果汁が多いため、生搾りジュースや生食用としてそのまま食べるのがおすすめです。
常温で2週間、冷蔵でも1か月ほどしか保存できないので、早めにお召し上がりください。
きおう
「黄色いりんごの王様」をイメージしてその名が付けられた、岩手県のオリジナル品種きおう。
果肉は硬めで、甘みと酸味のバランスが丁度よいりんごです。
果汁が多く独特の風味があることから、和梨を食べているようだと表現する人も。
未希(みき)ライフ
1986年に放送されたテレビ番組のタイトルと、主人公の役名からその名が付けられました。
地色が黄緑の果皮を、濃い赤色が被うことでまばらな縞状に色付きます。
8月末~9月に販売される、甘みと酸味のバランスが丁度よいりんごで、生食用、ジュース用にもピッタリです。
10月 中生種
トキ
切り口から果汁があふれてくるほどジューシーなトキは、生食で食べるのがおすすめです。
10月~11月下旬まで食べられます。青森県五所川原市に住んでいた土岐さんが育成したことからその名が付けられました。
王林とふじを掛け合わせた品種で、王林譲りの香りが楽しめるのも特徴です。
貯蔵できる期間は長くないため、短い旬の期間でお召し上がりください。
早生ふじ
9月末~11月にかけて店頭に出回る早生ふじ。早生ふじはふじの枝変わりの品種で、ふじよりも1か月ほど早く成熟する品種の総称となります。
代表的な品種は、糖度が高く蜜が入りやすい「ひろさきふじ」。ふじよりやや軟らかい果肉、控えめの酸味が特徴です。
ほかにも、「やたか」「ほのか」「紅将軍」「昴林」「涼香の季節」など、さまざまな品種があります。
ジョナゴールド
青森県で栽培されるりんごの約10%を占めています。
袋をかけて育てる「ジョナゴールド」、袋をかけずに育てる「サンジョナゴールド」、枝変わりの「アーリージョナ」「モリタジョナ」などの品種があります。
さっぱりとした酸味があるので、甘みの強い果物とミックスしたり、火を通してデザートにしたりするのがおすすめです。
ジョナゴールドは、果皮からロウ物質を分泌します。食べずに保存していると果実の表面が光ってベタつくようになるので、気になる人はすぐに食べてください。
紅玉
生食用ではなく、ジュースやアップルパイなどの加工用りんごとして大人気の品種です。
200~240gの大きさに育つ紅玉は、250~350gの平均的なりんごと比べるとやや小ぶりのサイズ感となります。
爽やかな香りと酸味の強い味、鮮やかな濃赤色で光沢がある果皮が特徴です。
常温で1か月弱、冷蔵で3か月ほどの保存が可能です。
紅玉だけではなく、「千成」「満紅」とも呼ばれます。
世界一
試作の依頼を受け育て上げた農家が「世界一大きいりんごだ」と宣伝し、それがそのままこの品種の名前となったそうです。
大きさは350~800g、大きいものでは1kgを超えるものもあるとか。
酸味は少なく甘みがあり、水分豊富でジューシーな味わいが楽しめます。生食用としてそのまま食べるのがおすすめです。
この品種よりも大きなりんごは存在しますが、輸出用の大玉ジャンルの一つとして需要が高くなっています。
陸奥(むつ)
栽培時の袋の有無で見た目が大きく変化する陸奥。
袋をかけずに栽培すると緑黄色に、袋をかけて栽培すると赤色のりんごに成長します。
また、りんごの果皮に文字や絵を描く「絵文字りんご」として使用される品種でもあります。
大きさは400g前後と大きめ、硬めでシャキシャキした食感が特徴の果肉、ほのかな芳香が楽しめるりんごです。
緑黄色の陸奥よりも、袋をかけて育った赤い陸奥のほうが貯蔵性に優れているため、長い期間食べられます。
シナノスイート
長野県で開発されたシナノスイートは、早生種のつがると晩生種のふじを掛け合わせてできた品種です。
10月中旬ごろに収穫されます。サクサクした食感と、豊富な果汁が特徴のりんごです。
11月 晩生種
ふじ
青森県で栽培されるりんごの約50%を占めている品種です。
青森県藤崎町で育成が開始されたことから、ふじの名が付けられました。
一つ一つのりんごに袋をかけて栽培することにより、鮮やかでなめらかな果皮に仕上がります。
褐紅色の縞が入っているのも見分けるポイントです。果肉は黄白色でやや粗く、シャキシャキとした食感が楽しめます。果汁が極めて多いのも特徴です。
貯蔵性に優れたふじは、他の品種が少なくなる時期に販売できるよう、鮮度を保てる冷蔵庫に保管されます。
春や夏の時期に販売されているりんごの品種に、ぜひ注目してみてください。
王林
青森県での生産量はふじに次いで2番目に多く、全体の約10%を占めています。
黄色系りんごの中ではポピュラーな品種である王林は、酸が少なく、甘さが強いのが特徴です。
果肉がギュッと詰まった、やや硬めの王林は、歯ごたえを楽しみながら食べてください。
独特の爽やかな香りと甘さは、酸味のあるヨーグルトによく合うので一緒に食べるのもおすすめです。
王林は消費者からの人気はもちろん、着色管理が不要な省力品種として、農家からも人気があります。
シナノゴールド
長野県の試験場で開発されたシナノゴールドは、温暖な気候での栽培に適しています。
寒冷地では酸味が強く育ちますが、酸っぱいりんごが好きな人は生食でOK!
甘酸っぱくジューシーな果肉は、スイーツやデザートに加工して食べるのがおすすめです。
シナノゴールドの果皮は黄色ですが、太陽光を浴びると淡い赤色に変化します。
サンふじ
サンふじは、青森県のりんご栽培の約50%を占めるふじと同じ品種です。
袋をかけて栽培されるふじに対し、袋をかけずに栽培されるのがサンふじです。
太陽の光をたっぷりと浴びせるサンふじは、蜜が入りやすいりんごに育ちます。